ジャズ・ピアノで使われる小ネタ・テクニック
ジャズ・ピアノで使われる小ネタ・テクニック
ここではちょっとしたフレーズやコードの押さえ方でジャズらしい雰囲気が出るものを色々と紹介していきます。初心者でも、経験者でも、あるいはジャズ・ピアニストを目指す方でも、このテクニックを参考に、楽しくピアノを弾けるといいなと思っています。
小ネタその1: 「コードの押さえ方に少し変化(内声の変化)をつけよう
ただ単にコードを押さえるのではなく、次のコードに向けて軽く装飾音を入れるだけでジャズっぽいサウンドが作れます。ソロ・ピアノやバラード曲などでもよく出てくるのでトライしてみてはどうですか?
a)ダイアトニック・コードが順次進行する時の内声の変化
ダイアトニック・コードが順次進行する時、内声に次のコードに向かうアプローチ・ノートを入れることで細かい表情を付ける事が出来ます。
Key of C Majorのダイアトニック・コードで挑戦してみましょう。
C Maj7-Dm7-Em7-FMajor7と順次進行で上行するコード進行。逆にFMaj7-Em7-Dm7-C Maj7と順次進行で下行するコード進行を使いやってみましょう。
コードの押さえ方
左手でコードのルート音と5度音。右手は最上声部に3度音、下に7度音とオクターブで重複された3度音を配置し、弾いてみましょう。
「C Maj7での両手の押さえ方」
まずはこのコード進行で弾いてみよう。
このコード進行は、C Major ScaleのScale上の音を使用した4和音(ダイアトニック・コード)を2度進行でつなげた進行です。
一番上の音ではなく内声(2、3番目)の音に向かいアプローチ・ノートを使用して変化をつけましょう。
まずは第2声部へ
次に第3声部
動画でチェック!
ちょっと理論を一言
順次進行は2度進行とも呼ばれ、全音、あるいは半音で動く(進行する)2音の関係をこのように呼んでいます。ここではコードのルート音が2度進行する時の説明として順次進行と呼んでいます。ダイアトニックと指定しているので、その時点のキー(スケール)の2度進行となります。
内声とはコードの押さえ方(ヴォイシング-Voicingと呼びます)での呼び方の一つです。押さえた音の一番高い音を最上声部、一番低い音を最下声部と呼び、最上声部、最下声部以外の内側の音を内声部と呼んでいます。ちなみに最上声部と最下声部の2つの声部の事を総称して外声部と呼びます。
大体の曲は或る調性(メジャーやマイナーのスケール)に基づいて作られています。もちろん曲の中で調が変る事も多々ありますが、コード進行もその調性(スケール)の音だけのコードと、調性の中のコードに関係するコードで基本的には作られています。この調性上に存在するコードの事をダイアトニック・コードと呼び、調性上の音を一つでもコードの構成音に無いものをノン・ダイアトニック・コードと呼んでいます。